Colloquium

NO.262
Weekend Mathematicsコロキウム室/NO.262

NO.1890      変曲点を通る直線      2010.11.29.  水の流れ

第250回数学的な応募問題


題意通りに解いていくと計算が複雑になりますが、綺麗な解法もあります。



注:この記事に関する投稿の掲載は、2010年12月20日以降とします。

NO.1889    無限級数の美しさ3(2)    2010.11.29.  夜ふかしのつらいおじさん

いくつか確認しておきます。






(2)





NO.1888    高次元の球の体積を求める(3)    2010.11.14.  DDT

任意次元の球の体積を求めよとの問題ですが、後で帰納法を使うつもりなので、1次元から始めます。

1.1次元

  まず1次元における原点中心の球を、x2≦r2(r>0)で定義します。
これは、図-1のような長さ2rの線分なので、その体積(長さ)は、

      (1)
で計算できます。ここで、

      (3)
です。

2.2次元

球(円)の体積を表す積分、

      (3)
を、累次積分に直します。ここで、

      (4)
です。xを一つ固定すると、

      (5)
が得られるので、

      (6)
です。(6)右辺のyに関する積分は、(2)と(5)を比べる事により、1次元の球の体積を表すのがわかるので、(1)を用い、

      (7)
となります。

3.3次元

      (8)
として、

      (9)
を考えると、

      (10)
なので、(4)と(10)を比べて、(7)より、

      (11)
となります。

4.4次元

      (12)

      (13)

なので、(8)と(13),(11)を用い、

      (14)

この計算は、次項で行います。

5.5次元以上(一般次元)

[定理-1]
n≧1とし、n次元の球の体積をVnは、

      (15)

      (16)

で与えられる。α1=2。

[証明]
帰納法で示す。
1.よりn=1で、(15)成立。1.,2.より、n=1で(16)成立。
nまで(15),(16)が成立したと仮定。
n+1以降。

   

だが、2.〜3.でやったように、x1を固定して考えれば、

   

となり、Vn+1のdx2・・・dxnに関する積分は、 半径(r2−x2)1/2 のVnを表すので(15)より、


なので、n+1以降も(15),(16)は成立。

[証明終]


[定理-2]
n≧0として、

   
には、

      (17)
が成り立つ。ただし、I0=π,I1=2。

[証明]
不定積分、

   
は、岩波公式集より(← ひどい!^^)、

   
で計算できる。いまm=0の場合だから、

   
上式のθ=0→πの定積分を取ると、右辺1項目は明らかに0。従って(17)成立。

[証明終]


というわけで漸化式(17)を使って、(16)をα7くらいまで試してみると、 いずれ次の事に気づけます。

[定理-3]

n≧0として、

      (18)
ただし、πα0=I0

      (19)

[証明]
帰納法で示す。

πα0=I0と決めたので、n=0で(18)成立。nまで(18)成立と仮定。
n+1以降。
漸化式(16),(17)を用いると、

   
で、nのとき(19)成立。同様に、

   
で、n+1のとき(18)成立。従って、n+1以降も(18),(19)は成立。

[証明終]


αnの形が陽に得られたので、後は結果をまとめるだけです。(15)より、

   

となりました。ただしV0では、r=0と決めます。

NO.1887    高次元の球の体積を求める(2)    2010.11.14.  夜ふかしのつらいおじさん

はじめに   であることを確認しておきます。(半径rの円の面積の四半分です)
また偶関数 g(x) の定積分の性質を確認しておきます。   
なお変数は、x1 , x2 , x3, ・・・  ではなく、 x , y , z , w , v , u を使います。

問題−1
D: x2+y2 ≦ r2 において次の積分をします。
あるy に対して、   なので、



この値は半径r の円の面積です。

問題0
D: x2+y2+z2 ≦ r2 において次の積分をします。
まず、   においてx,y の積分をします。(前問の結果を使います)
次に D2: -r ≦ x ≦ r においてz の積分をします。



この値は半径rの球の体積です。

問題1
D: x2+y2+z2+w2 ≦ r2 において次の積分をします。
まず、  においてx,y,z の積分をします。(前問の結果を使います)
次に D2: -r ≦ w ≦ r においてw の積分をします。





問題2
D: x2+y2+z2+w2+v2 ≦ r2 において次の積分をします。
まず、   においてx,y,z,w の積分をします。 (前問の結果を使います)
次に D2: -r ≦ v ≦ r においてv の積分をします。



問題3
D: x2+y2+z2+w2+v2+u2 ≦ r2 において次の積分をします。
まず、   においてx,y,z,w,v の積分をします。 (前問の結果を使います)
次に D2: -r ≦ u ≦ r においてu の積分をします。



ここで余弦の6乗の積分を考えると



なので



NO.1886   無限級数の美しさ3     2010.11.13.  水の流れ

第249回数学的な応募問題


先日、青土社出版「πとeの話」を読んでいたら、無限級数の美しさと不思議さを見けました。 皆さんに紹介します。3回目です。



注:この記事に関する投稿の掲載は、2010年11月29日以降とします。

NO.1885    無限級数の美しさ2(2)    2010.11.13.  夜ふかしのつらいおじさん







NO.1884    高次元の球の体積を求める    2010.11.3.  K.F.

普通の球(3次元)の体積を求める公式は、中学生でも知っています。
球の半径を r 、体積を V3 として、 です。
ところが、4次元以上の空間にも球が存在します。それらの体積を求めてください。

問1



を計算することにより、4次元の球の体積 V4 を求めてください。

問2



を計算することにより、5次元の球の体積 V5 を求めてください。

問3



を計算することにより、6次元の球の体積 V6 を求めてください。
ヒント:前の問題の解答が、後の問題を解くのに利用できます。


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