Colloquium

NO.270
Weekend Mathematicsコロキウム室/NO.270

NO.1946     相乗平均(2)     2011.6.26.  夜ふかしのつらいおじさん







NO.1945     相乗平均      2011.6.24.  数学マニア

複素平面上で考えたとき、「相加平均」  はABの中点でよく知られていますが、 「相乗平均」 (主値)は図形的にどの位置にあるでしょうか?



NO.1944     行列の変換(3)      2011.6.24.  数学マニア

図で表現すると、(12時を0として、反時計回りに番号づけをして上の数から下の数へ矢印をつける)



1と4を交換する。(AとBを比較して、同じく3辺が集まっているところ)



0と3を交換する。(A1とBを比較して、同じく矢印の始点になっている)



0と2を交換する。(A2とBを比較して、同じ形にする)



0と1を交換する。(A3とBを比較して、サイクルの向きを同じにする)



横に並びをそろえる。条件(1)より



図形の特徴を、利用するとやりやすくなります。
例えば、以下の場合は不可能です。なぜなら、位相同型でないからです。



位相同型ならば、可能です。先の問題の場合



更に詳しくは、佐藤郁郎さんのホームページ上に載せて頂きました。 一般論としてまとめてありますので、興味ある方はご覧ください。

NO.1943     連続関数      2011.6.18.  カヲル

先週の解析学の授業でこのような問題がでました。

≪y=|x|は定義域を実数に持つ連続関数であることを示せ。≫

という問題なのですが、一応自分ではε-δ論法を使って下記のように回答しました。
x=0の時を考える。
f(0)=0より、lim_x→0 f(x)=0を示す。
任意のε>0に対して、あるδが存在して
|x|<δならば、|f(x)−0|=|X|=|x|<δ<ε     したがって連続である。

と回答したのですが、これではX=0のときは成り立っても、 問題文中の「定義域を実数に持つ」という所に違和感を感じました。
これを回答する場合、どうすればいいでしょうか。
たぶん、ε−δ論法で証明していくと思うのですが、どうしたらいいでしょうか。

NO.1942       リングセオリー(18)     2011.6.18.  RyOtA

コロキウム室(リングセオリー・その3)を読ませていただき、少し疑問に思ったことがありましたので質問よろしいでしょうか?
 (命題) PID内では(0)でない素イデアルは全て極大イデアルである
のとこの証明で、
   そこでaとbで生成されるイデアル(a、b)を考えますと
とありますが、これはこの(a,b)が(a)を真に含む最小のイデアルであることを仮定しているのですか?
最終的にこの(a,b)がRに一致するので、Ωは極大イデアルということですが、
   (a)⊂I⊂(a,b)
かつI≠RなるイデアルIが存在しないことがいえてないので、もしかしたらこのようなイデアルがあるかもしれません。
あるとすると、Ωの極大性が言えなくなってしまいますよね。
もし(a,b)が(a)を含む最小のイデアルであれば、確かに(a)が極大イデアルになりますね。
(a)を真に含む任意のイデアルがすべてRに一致するというのなら分かるのですが、具体的に(a,b)を持ってきた理由がよくわかりませんでした。

NO.1941      根軸      2011.6.13.  水の流れ

第259回数学的な応募問題


「大学への数学」のショートプログラムを読んでいたら面白い問題がありました。 紹介します。

問題1:単位円x+y=1と 円(x−2)+(y−3)=9の2つの交点を A,Bとするとき、直線ABの方程式を求めよ。

問題2:円(1):x+y=1、 円(2):(x−2)+(y−3)=4とする。
点Pから円(1),円(2)へ引いた接線の長さが等しくなるような点Pの軌跡の方程式を求めよ。

【参考】2つの円の方程式が分かっているとき、それらからx,yの2次の項を消去した式は、 直線を表し2つの円の根軸といいます。

問題3:xy平面上に、2つの放物線を C:y=x, C:y=−x+4x−2 とするとき、共通な接線の方程式を求めよ。

問題4:xy平面上に、2つの放物線を C:y=x, C:y=−x+4x−4 とする。
点Pから2つの放物線C,Cへ引いた接線の長さが等しくなるような点Pの軌跡の方程式を求めよ。

(6月18日追加)
問題4を差し替え、改めて問題5とします。

問題5:y=x・・・(1) y=−x+4x−4・・・(2)と直線x=kの交点を P,Qとする。
Pにおける(1)の接線とQにおける(2)の接線の交点をRとするとき、 Rの軌跡の方程式を求めよ。
ただし、軌跡の限界は求めなくて良い。

注:この記事に関する投稿の掲載は、2011年7月4日以降とします。

NO.1940         2011.6.13.  Ryu1128

問題1(図でf=g(x)となっているのはy=g(x)と読みます)
2次関数を次のようにおきます
  y=f(x)=2x2+ax+b・・・(1)
  y=g (x)=-x2+cx+d・・・(2)
ここでグラフを平行移動しても比は変わらないのでAを原点Oとするとb=d=0となります。
(1)(2)にこれを代入し連立でBを求めると
((c-a)/3,(c-a)(2c+a)/9)が得られ、直線ABはy=(2c+a)x/3となります。
次に直線CEは、x=k (0<k<(c-a)/3) と書けます。整理すると
  y=f(x)=2x2+ax・・・(3)
  y=g (x)=-x2+cx・・・(4)
  y=(2c+a)x/3・・・・・・(5)
  x=k (0<k<(c-a)/3) ・・・(6)
C、D,Eのy座標は各々(6)と(4)(5)(3)連立して次のようになります。
  Cy:-k2+ck
  Dy:(2c+a) k/3
  Ey:2k2+ak
CD:DE比は(Cy-Dy)/(Dy-Ey)なので (-k2+ck -(2c+a) k/3)/((2c+a) k/3-(2k2+ak))となり整理すると変数が全て消 え、CD:DE=1/2=1:2となります。
長々計算しましたが、実はこの種の問題では、C及びEにおける増減量の問題で1 次、0次の項は無視してよいのは直感的に分かります。実務的には適度な一般化を自 在に駆使できると面白い問題となります。
例えばn次とn+p次場合比はp-1次になりそうですが、きりがありませんのでやめます。

問題2
y=2x2のx=kとの交点における接線の方程式及び y=-x2+4x-5のx=kとの交点における接線の方程式は次式で表され交点の軌跡はkを消去すると得られる
  k2-2kx +4x -y -5=0
  k2-2kx    +y/2 =0
  y=2(4x-5)/3
kをパラメータとした2次関数の接線の交点の軌跡が1次関数になるのは直感的には納 得できます(接線が1次関数であり、それを創生する2次関数が2次の項を打ち消しあ うことから)
しかし、交点の軌跡の係数と2次関数の導関数の一次の係数との関係が何かあるはず で、この辺はもう少しほじくってみたいと思っています。

NO.1939      束(2)      2011.6.13.  夜ふかしのつらいおじさん

●準備
図のように放物線 y=ax2 に直線ABが交わっています。
放物線上の二点A(α,aα2) 、B(β,aβ2) における接線の交点をEとします。
Eから軸に平行な直線を引き図のようにC、Dとします。
直線ABの方程式は、

  

接線AEの方程式は、y - aα2 = 2aα(x-α)より、
  y = 2aαx - aα2・・・・(2)
同様に、接線BEの方程式は、
  y = 2aβx - aβ2・・・・(3)



(CD=DEとなります)
(この長さは、2乗の係数 a に比例します)

また、放物線と直線が囲む部分の面積は、 です。
(この面積も、2乗の係数 a に比例します)

問題1
●その1
図の青の部分と緑の部分の面積比は、1:2です。
このこととカバリエリの原理を考えると、CD:DE=1:2です。

●その2
上に開いた放物線の方程式を y = 2x2・・・・(4)

下に開いた放物線の方程式をとりあえず
  y = -x2+bx+c とします。
交点A、Bの x 座標が x = α,β となるように考えます。
  2x2= -x2+bx+c
  3x2-bx-c = 0
なので、この式が、
  3(x-α)(x-β) = 0
  3x2-3(α+β)x +3αβ = 0
となればよいので、
  b = 3(α+β)
  c = -3αβ
よって、下に開いた放物線の方程式は、
  y = -x2+3(α+β)x-3αβ・・・・・・(5)
直線ABの方程式は、式(1)において a=2 とすればよいので、
  y = 2(α+β)x-2αβ です。
直線CEの方程式を とすれば、点C、D、Eの y 座標は、
  C: -k2+3(α+β)k-3αβ
  D: 2(α+β)k-2αβ
  E: 2k2
よって、

  

∴CD:DE=1:2

問題2
●その1

ちょっと見にくいですが、二つの放物線の点Pと点Qにおける接線をピンクで表します。
その交点Rから二つの放物線に接線SR、RTを引きます。
点Rを通り軸に平行な直線を引きます。
(その線上の点を図のように、A、B、D、Cとします)
すると、線分SPの中点がA、線分TQの中点がCとなります。
そして、AB=BR、CD=DRです。
また、AB:CD=2:1です。
以上から、BR:DR=2:1です。
つまり、上下の放物線を軸に平行な線分で結んで 上の方から2:1に分ける点をつないだ線が求める答になります。

  

●その2
放物線 y = 2x2上の点Pにおける接線の方程式は、
  y = 4kx-2k2
放物線 y = -x2+4x-5 上の点Qにおける接線の方程式は
  y = (-2k+4)x+k2-5
   これらを連立させて解くと、

  

これらを割り算すると、

  

   右辺の定数を左辺に移行して整理すると、

  

これから、

  

  


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