Weekend Mathematicsコロキウム室テーマ別 /17.素数の逆数の総和



コロキウム室(素数の逆数の総和)


NO.359    '99 2/23    月の光     素数の逆数の総和
  

調和級数が発散する事は示されましたが、 素数の逆数の総和はどうでしょうか?
素数が無限に存在する事をまず示してから考えてみて下さい。



NO.383    '99 3/5    水の流れ     素数の逆数の総和 (2)
  

問題1「素数は無限に存在するか」
<証明>コロキウム室のNO.373 で証明されたように調和級数が+無限大に発散します。
もし、素数が有限個しかなければ、右辺のΠ1/(1−1/p)は有限の値になり、 +無限大に発散することに反します。よって、素数は無限に存在します。

問題2「素数の逆数の総和は+無限大に発散する」
<証明>コロキウム室のNO.377 で証明された(1)を使います。


すなわち、素数の逆数の和は+無限大に発散する。
<この証明は過去の「大学への数学」に載っていました>




NO.404    '99 3/14    Junko     素数の逆数の総和(3)
  

素数が無限に存在することの、オ−ソドックスな証明です。
背理法によります。

もし素数の数が有限個だとして、それを小さい順に p、p、p、・・・、pとします。
新たに、(p・p・p・・・p+1)なる数を考えます。
この数は、任意の素数pで割れませんので、素数です。 しかも、最大の素数であるpよりも大きい数であり、 これは明らかに矛盾です。




NO.405    '99 3/14    Junko     素数の逆数の総和(4)
  

大学時代のゼミで読んだ「An Introduction to the Theory of Numbers」の中に、 素数の逆数の和が発散する事の証明がありますので、紹介します。

素数を小さい方から順に、 p、p、p、とします。


このことから逆に素数が無限に存在することが言えると思います。 もし素数が有限個しかなかったら、上の級数が発散するはずはないからです。



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