Weekend Mathematicsコロキウム室テーマ別/42.源氏香



コロキウム室(源氏香)


NO.604 '99 8/26水の流れ源氏香

第27回数学的な応募問題

太郎さんは、以前NHKの「日本の質問」という番組の中で、 この源氏香の話を聞いていました。
香をたいてその香りを鑑賞する遊びを香道と言います。 香道は平安時代、すなわち10世紀のころからすでに始まっています。 香道と呼ばれるようになったのは室町時代の15世紀後半で、 江戸時代に入ると芸道として形が整ってきました。
遊びの中で、二組にわかれて同じ種類のものの優劣を競い合う遊びを物合わせというが、 香合わせは物合わせの一つです。



5種類の香を、それぞれの種類ごとに5包ずつ作る。 すなわち、合計25袋作る。この25袋の中から5色を選んで。
これを順にたく。競技に参加した者は紙に縦の棒5本をたく。 すなわち、例1のように書いておく。
5包の香りを順にかいで(きいて)5種類とも同じなら例2のように横線で引く。
1番目と3番目が同じで、他が違うときは、例の3のようにする。
このように、5種類の香から重複を許して5包の香りを作り、 これをたいて、香りをききわけるとき、一体何通りの違った形を作ることができますか。
これが今回の問題です。できたら、この5本の縦線と横線の違った形を書いてください。
紫式部の「源氏物語」は54帖あり、この54帖の一部の題名にこのききわけた香りの記号の名前に あてています。これが源氏香の由来です。

<補足> この源氏香を数学の問題として取り扱ったのは松永良弼(1690頃から1744)である。 松永は関孝和(1640頃〜1708)の孫弟子である。 この源氏香についての解説は、稿本の「断連総術」(1726年)の中に含まれています。

<出典:数学100の問題;数学セミナー編集部(日本評論社)>




NO.605 '99 9/1Junko源氏香(2)

香の種類に関係なく形の違いだけを数え上げていけばいいということなので、 以下のように場合分けします。
同じ種類の香がいくつあるかで場合わけです。
香の形場合の数
4−1=5
3−2=10
3−1−1=10
2−2−1×/2!=15
2−1−1−1=10
1−1−1−1−1
合計52




NO.1156 2002.2.12.水の流れ源氏香(3)

<水の流れ>さんに届いた質問です。第27回の応募問題をみて、 NO.604 源氏香についての方法は 知っておいてください。

「今学校で、源氏香についてやってて、それについて各自考えるって問題が出たんですよ だから一応やったんですけど、最後の問いがわかんなくて調べてたときに

(問)源氏香の組み合わせパターンは52通り。 これは包みを5つ使うからで、包みを増やしたり減らしたりするとパターン数変わる。 包みをn個使うときのパターン数をB通りとしよう。
(1)Bを求めよ。
(2)Bを求めよ。
(3)実はB・・・BまでわかるとそこからBn+1が求めることが出来る! どんな考え方によればいいか。
(4)B〜B10を求めよ。
(5)このBの意味はなにか(由来)

それで僕はこの(5)がわからないんです。 もしわかるならぜひ教えてもらいたいんですが、お願いします。 (はっきり言ってこんな問題を出す人はそうそういませんね)」





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