Weekend Mathematics情報/「ロボット入門」の授業


「ロボット入門」の授業

「ロボット入門」の指導計画


第4回・ライントレーサ製作実習(1)

*アクリル板とポケコンケースの加工・ギアボックスの作製*

ライントレーサ製作実習


県立磯子工業高校にて、同校電気科の先生方(佐々木先生、日置先生、内田先生)のご指導のもと、ライントレーサの製作に取り組みました。

ポンチ打ちの指導を受けています。


次にボール盤を使っての穴あけです。最初はどきどきなんですが、慣れてくると大丈夫!

ライントレーサ製作実習

ライントレーサ製作実習


ギアボックスの組み立てはプラモデルのようで、さすがに経験者は早いです。
これはシャフトをカットしているところです。ちょっと怖い感じですが、先生の真似をしてトライ。


基盤のカットをします。バンドソーの扱いも多少慣れてきたかな。

ライントレーサ製作実習





第5回・ライントレーサ製作実習(2)

*制御基盤の作製(ハンダ付け)*

ライントレーサ製作実習


午後は制御基盤の作製ということで、先生にハンダ付けのコツを教わりながら、 まず練習。


そして小さい方の基盤(ポケコン接続側)に11Pコネクタのハンダ付け。
皆、かなり集中して取り組んでいるので、教室内はしーんとしています。

ライントレーサ製作実習

ライントレーサ製作実習


次は制御基盤の方へ、IC、集合抵抗、ソケット、抵抗、電解コンデンサ、LEDをハンダ付けしていきます。 極性のあるものは、向きに気をつけて・・・。LEDの付け方に個性が表れているようです。


暑い中、細かい作業の連続でしたが、全員時間内に完成、続きはまた明日。

ライントレーサ製作実習





第6回・ライントレーサ製作実習(3)

*ライントレーサの組み立て*

ライントレーサ製作実習


磯子工業高校の桐野教頭から、「工業高校ならではに授業を是非体験していってください。」と激励を受けて今日の授業が始まりました。


ライントレーサの組み立て、まずは大小の基盤をケーブルでつなぎます。

ライントレーサ製作実習

ライントレーサ製作実習


ギアボックスをアクリル板に取り付けますが、これがとても細かい作業なのでなかなか大変!


先生にも手伝ってもらいながらネジをとめていきます。 キャスター、電池ボックス、基盤、ポケコンカバーも取り付けて完成です。

ライントレーサ製作実習

ライントレーサ製作実習


ポケコンに、BASICによるモータ出力プログラムを入力しています。これを動かしてモーター出力の確認をします。回転の向きが逆になっている場合は修正します。





第7回・ライントレーサ製作実習(4)

*プログラムの学習*

ライントレーサ製作実習


午後は、コンピュータ教室での講義です。 4つあるセンサーの白黒の判定を4ビットの数値に置き換え、出力についても2つのモーターをそれぞれ前進後進の2方向で4ビットの数値で表現するという話でした。プログラム中に出てくる数値の意味がこれでわかりました。


C言語の特徴についての話の後、具体的に”直進してセンサーが白をひろうと止まる”プログラムの説明を受けています。

ライントレーサ製作実習

ライントレーサ製作実習


C言語によるプログラムの入力です。コンパイルをしてエラーがないことを確認。


コースの上で実験。ちょっとどきどき・・・・・大丈夫きちんと動いてにっこりです。

ライントレーサ製作実習

ライントレーサ製作実習


”直進してセンサーが白をひろうとバックする”にプログラムを変更。動作テストです。





第8回・ライントレーサ製作実習(5)

*プログラムの学習*

ライントレーサ製作実習


センサーからの入力と、モーターへの出力を再度確認しました。
そして、ライントレースプログラムの基本原理を説明してもらっています。
プログラミングはむずかしい??


センサーの感知パターン別にモーターの動きを指示していきます。

ライントレーサ製作実習

ライントレーサ製作実習


プログラムをどう改良すれば、よりスムーズな動きになるのでしょうか? 考え中。


ラインの上をトレースするようになりましたが、ゆれが大きく動きに無駄が多いようです。

ライントレーサ製作実習

ライントレーサ製作実習


プログラムを修正したらコンパイルして走行実験。その結果を見て更に改良していきます。





第9回・ライントレーサ製作実習(6)

*まとめ*

ライントレーサ製作実習


どこがおかしいのかなあ? 
ロボットは、構造体の部分とプログラムの両方がかみ合わないと思ったとおりには動いてくれません。


センサーがきちんと機能していないのかなあ・・・?

ライントレーサ製作実習

ライントレーサ製作実習


ライントレーサ本体を調整中です。


「タイムトライアル 3:00開始」と黒板に予告。
ぎりぎりまでプログラムの改良をしています。

ライントレーサ製作実習

ライントレーサ製作実習


タイムトライアル開始。コースを1周するのに要する所要時間を計ります。 ほとんどの生徒が基本プログラムを改良し、スムースなライントレースを見せ、2分台前半の記録で優勝争いが行われました。

磯子工業高校電気科の先生方、3日間本当にどうもありがとうございました。

ライントレーサ製作実習

コースを背景に最後の記念写真。


* 生徒の感想 *





第10回・まとめ

*まとめ*

ライントレーサを実際に製作をして制御するという実習を含めて、 ロボットに関する学習のまとめとして、以下の内容について記述してもらいました。

  1. 将来、どんなロボットが開発されることを期待しますか? また、ロボットと人間が共存する理想的な未来の姿を描いてみてください。
  2. ロボットが社会に果たす役割や意義について、どう考えますか? 
  3. ロボット開発、研究において、これからどんな問題が生じてくると思いますか?

1については、
「高齢化社会を迎え、やはり介護ロボットは絶対に必要だと思います。 もちろんあまりにも機械的な見た目ではなく、人間、ペットに似ているとよいと思います。」
「今、一番切実だと思うのは、医療と老人介護だと思うので、その分野を中心に開発してほしいと思います。・・・中略・・・ そして、私達人間は、そんなロボットに『ありがとう』と心から素直にいえるようになっていることを望みます。」

2については、
「人間のサポートがロボットの一番の目的だと思う。」
「人にもできることをロボットがするよりも、ロボットにしかできない作業を考えて、 人の役割とロボットの役割を分けたほうがよいと思います。」
「ロボットと人間のお互いの長所がきちんと歯車みたいにかみ合えば、必然的に役割や意義が見えてくると思う。 ロボットの役割は、今は人の手助けのみだが、いずれはドラえもんのように一緒にいてあたりまえというときがきてほしいと思う。」

3について、
「戦争など争いごとに使われてしまう可能性があると思う、人間の悪意に使われることを懸念します。」
「ロボットのエネルギー問題や、ロボットに感情が必要かとか、ロボットを使った犯罪などの問題が生じると思います。」
「人をやることをロボットがやってくれるのはとても便利でいいのですが、 反面、職をなくす人や、ロボットに頼りきりで何もできない人がでてきてしまうのではないかと心配です。」

ロボットの活躍に大きな期待感を持つとともに、 そう遠くはない将来に実現するであろうロボットとの共存社会への懸念も きちんと考えていかなければいけないと思います。

* 生徒の感想 *

そして最後に、この科目の学習を終えての感想を書いてもらいました。





* さいごに *

最初にこの科目を構想したのは3年前でした。ヴァーチャルではない実体のあるものを 制御することのむずかしさと、おもしろさを生徒たちに体験してもらいたいと思ったのが最初です。 磯子工業高校電気科のみなさんには本当にお世話になりました。本校の依頼を快くお引き受けいただき、 事前の準備+3日間にわたってご指導をいただきました。まさに磯子工業高校のご協力がなければ、この科目は成立しなかったわけです。改めてこの場を借りて感謝の意を表したいと思います。どうもありがとうございました。
生徒たちも暑い中、よくがんばっていたと思います。 最終日、やり遂げた自信のようなものが彼らの表情の中にこころなしか感じられ、 大変うれしく思っています。





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