Weekend Mathematics問題/問題20

20.飛行機の問題


夏休みを利用して、飛行機で旅行される方もいらっしゃるでしょうね。
飛行機にのったつもりで次の問題に挑戦してみてください。


パイロットが真南に100キロ、それから東に100キロ、 そして北に100キロ飛びました。すると彼は飛び立った地点に戻ってくるという。 さて彼はどこから出発したのでしょう。
答えは1ヶ所ではないよ!


問題の出典


別冊サイエンス ひらめき思考

マ−チン・ガ−ドナ−

日経サイエンス社






答えと解説












答えと解説

解答・その1

(ペンネ−ム:Hungry Bear)

答は、北極点(*)ですが、まだ他に答があるのですか? もう少し考えてみます。

(*)正確には「磁北」です。 この場所は、北カナダのバサースト島の近くにあり、 地図上の北極点から約1600km離れているそうです。 ここでの磁石は、N極が真上を指しますので、 もしも磁石だけで飛行機を飛ばそうとすれば、 南は真上になり、宇宙へ飛び出すことになります。

ところでこれって「数学」の問題なんですか?



解答・その2

(ペンネ−ム:うじちゃん)

答えは「北極点です」
ちなみに東へ進む北極点での角の大きさは1ラジアンですな.



解答・その3

(ペンネ−ム:水の流れ)

答え、1つは よく知っている 北極点
もう1つは 次の無数の地点
南半球で、緯線の長さが全長100kmあり、 この緯線上のどの地点でもよく、ここから、 北方へ100kmの距離を保つ緯線上のすべての地点




解答・その4

(ペンネ−ム:Idaho Potato)

真っ先に思い付くのは、「北極点」という解です。
北極付近に限ると、解はこの1ヶ所のみですが、 南極付近を考えてみると、ほかにも解があることが分かります。

要するに、「東に100キロ」のステップが、 ちょうど緯線1周になっていればよいのです。 1周といわず、2周でも3周でも、 とにかく元の場所に戻ってくればよいわけです。

というわけで、南極付近の解は、nを任意の正の整数として、 「緯線の周の長さが(100/n)キロであるような緯度から 100キロ北にあたる地点」(経度は何でもよい)と表せます。
周が(100/n)キロの円の半径は、 (100/n)/(3.14*2) ≒ (16/n) キロですから、 南極付近の地表面を近似的に平面と考えて、 解は、南極点からおよそ116キロ、108キロ、105.3キロ、104キロ… 離れた地点、ということになります。



まとめ

「Idaho Potato」さんの解答が完璧ですね。 まとめてみます。

  1. 北極点
  2. 緯線に沿って地球を1周するとほぼ円を描きます。
    その円の中で、南半球にあり、1周が100kmのものが存在するはずです。
    赤道は1周ほぼ40000km (1メートルの起源は、 北極からパリをとおって赤道までの子午線の距離の1000万分の1と 定義したことによるのだそうです。)ですから。
    その円周上の任意の点から真北に100km進んだ地点が答えです。
    従って、無限に存在します。
  3. 先程は1周100kmの円を考えましたが、 2周で100km、3周で100km、4周で100km・・・でもいいはずです。
    こう考えても無限に存在することになります。

以上のことから、答えは
(無限)×(無限)+1=(無限)個、存在することになります。

次にこの無限について話をしたいと思います。 ここに登場する2つの無限は、同じ無限でも少し意味合いが違うのです。
無限のレベルが違うのです。 え−っ、無限にもレベルがあるの? と思う方もあるかもしれませんね。 無限のレベルも無限に存在するのです。 何だかややっこしくなってきましたね。 では、始めましょう。





注)連続体問題の箇所の記述に誤りがあります。(ごめんなさい。)
詳しくは、コロキウム室 NO.145 連続体仮説 をお読みください。

参考:





正解者(ペンネ−ム)

Hungry Bear

akihiro

水の流れ

Syun

Idaho Potato

みかん

うじちゃん

Inocchi




戻る