Weekend Mathematics問題/問題42



42.おはじきの問題


1.図のように数1をおき、次にこれを囲んで正方形状に数2を4個おく。 次にこの2を囲んで正方形状に数3を8個おく。 こうして最後に数nを正方形状に囲んでおいたとき、 これらの数のすべての和をnの式で表せ。


2.図のように数1をおき、次にこれを囲んで正方形状に数2を4個おく。 次にこの2を囲んで正方形状に数4を8個おく。 更にこの4を囲んで正方形状に数8を12個おく。 こうして最後に数nを正方形状に囲んでおいたとき、 これらの数のすべての和をnの式で表せ。



問題の出典(問1)


日本の数学 何題解けますか?(上)

深川英俊/ダン・ソフコロフスキ−共著

森北出版





答えと解説












答えと解説

問題1


解答・その1

(ペンネ−ム:かつ)

数列の問題ですね。
一番外側にできる数の和を○項目とします。
そうするとすべての項の和が答えなので まず、第n項目がわかればよいのでn項目を調べます。

1項 1
2項 2×4(2−1)
3項 3×4(3−1)
となり1項目以外から
n項 n×4(n−1) と予想されます。
実際予想ではなく数nが一辺n個並んでるから四辺でn×4(n−1)になります。
これから和なので求める数は


となります。



解答・その2

(ペンネ−ム:マサボー)

n 列目の個数は 4(n-1) ( n ≧ 2 , n=1 のとき1)。
よって n 列目の合計は 4n(n-1)( n ≧ 2 , n=1 のとき1)
求める合計 Sn


 



問題2


解答・その3

(ペンネ−ム:少年H)

内側からn番目の数字は、2n-1
内側からn番目の数字の個数は、4(n‐1)(ただしn≧2)

内側からn番目......
数字20212223......2n−1
個数12......4(n−1)
それぞれの数字の合計20×121×422×823×12......2n-1×4(n-1)

よって総和は


ここで、は、 初項2、公比2の等比数列であるから、その和は2×(2−1)である。

=1×21+2×22+3×23+4×24+5×25+・・・+n×2n
=21+22+23+24+25+・・・+2n
(21)+22+23+24+25+・・・+2n
(21+22)+23+24+25+・・・+2n
(21+22+23)+24+25+・・・+2n
(21+22+23+24)+25+・・・+2n
      〃
(21+22+23+24+25+・・・+2n-1)+2n

と変形すると、それぞれの行は、2×(2−1)であり、n行あるから、 総和は2n×(2−1)=n×2n+1−2n
また、かっこ内は、一般項が等比数列の和 2×(2−1)となるから、
かっこ内の総和は、


よってn行の総和からかっこ内の総和をひくと

=n×2n+1−2n−(2n+1−2n−2) =(n−1)×2n+1+2






解答・その4

(ペンネ−ム:kiyo)

2×4,4×8,8×12,16×16,32×20,64×24, 128×28,256×32,・・・
8で割る。
0,1,4,12,32,80,192,448,1024,・・・

A(0)=0 とする。
A(m)=m×2m-1.............................................(1)
A(m)=2×A(m-1)+2m-1............................(2)
(1),(2)より


したがって求める和は
8×{(m+1)×2m-2m+1+1}+1
=(m+1)×2m+3-2m+4+9
=(m+1)×8×2m-16×2m+9
n=2m m:負でない整数とする。
=(m+1)×8×n-16×n+9
m=log2n であるから、
=(log2n+1)×8×n-16×n+9
=8×n×(log2n-1)+9


答え 8×n×(log2n-1)+9



解答・その5

(ペンネ−ム:浜田 明巳)

同じ数字ずつに整理すると,

1    2 2   4 4 4    8 8 8 8    ...
     2 2   4   4    8     8
           4 4 4    8     8
                    8 8 8 8 
となる.m=logn+1とすると,
m=1のとき,1
m≧2のとき,2mー1×{m−(m−2)}=2m+1(m−1)

求める和をSとすると,m≧2のとき,
=1+2・1+2・2+2・3+2・4+……+2m+1・(m−1)・・・@
∴2S=2+2・1+2・2+2・3+2・4+……+2m+2・(m−1)・・・A
@,Aの両辺の差をとると,
−S=−1+2+2+2+2+……+2m+1−2m+2・(m−1)
∴S=2n+2(m−1)+1−(2+2+2+2+……+2m+1)
=2m+2(m−1)+1−8(1+2+2+2+……+2mー2)
=2m+2(m−1)+1−8(2mー1−1)/(2−1)
=2m+2(m−1)+1−2m+2+8
=2m+2(m−2)+9
これはm=1のときも成立する.
m=logn+1であるから,求める和は,
m+2(m−2)+9=8n(logn−1)+9





解答・その6

(ペンネ−ム:ねこ)

Let n = 2m

S-1= 2×4 + 4×8 + 8×12 + ... + n×4×m
2(S-1)=  4×4 + 8×8 + ... + n×4×(m-1) + 2×n×4×m


(S-1) - 2(S-1) (= 1 - S)= 2×4 + 4×4 + 8×4 + ... + n×4 - 8×n×m
= 4(2n-2) - 8×n×m
= - 8 - 8×n(m-1)
S= 1 + 8 + 8n(m-1)
= 9 + 8n{log2n-1} //




解答・その7

(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん)

内側からの順番1,2,3,・・・・k,・・・・m
内側から並ぶ数1,2,4,・・・・2k-1,・・・・2m-1  ←(注)
その数字の個数1,2,8,・・・・4(k-1),・・・・4(m-1)

求める数 1・1 + 2・4 + 4・8 +・・・・+ 2k-1・4(k-1) +・・・・+ 2m-1・4(m-1)

初項 a1=1、 ak=2k+1・(k−1) (k≧2)の数列の和 Smを求めればよい。

m を書き並べて Sm−2Sm より等比数列の和の公式を用いてまとめると、

  Sm=2m+2・(m−2)+9・・・・ ☆

(注)
さて、問題では最後の数が n とあるので、 2m-1=n とおくと、(m-1)=log2n だから

=23・2m-1・(m−1−1)+9
=8n・(log2n−1)+9 (と答えるべきなのかな?)






正解者

浜田 明巳kiyo夜ふかしのつらいおじさん
マサボー少年Hかつ
ねこ





まとめ

「今回の問題は、答えにくいです。」とおしかりを受けました。 確かにシグマは表記しにくいですから、不適切だったと反省しています。

また問題2は、問題文に「最後の数がn」と書いてしまったので必要以上に面 倒な式になってしまいました。
S=2n+2・(n−2)+9 で正解でいいと思います。
式中のnをすべてmで置き換えた後に、n=2mー1という変換をすればいいわけですから・・・。

ある数a(これを初項と呼びます)に一定の数r(公比)を次々とかけてできる数列を等比数列と呼びます。
等比数列の初項から第n項までの和をSとすると、
=a(1−r)/(1−r)となります。

なぜなら、
=a+ar+ar+ar+・・・+arn−1
rS+ar+ar+ar+・・・+arn−1+ar

このようにSとrSを並べて書きますが、その際にrSの各項を 1つ右にずらしてかくのがポイントです。
そうすると縦に同じ項が並ぶのです。
従ってここで引き算をすれば、最初と最後の項を残してすべて消えてしまいます。
−rS=a−ar
(1−r)S=a(1−r)
となって、S=a(1−r)/(1−r)となります。

この公式を確か私は高校2年生で勉強したと思います。
鮮やかに中間の項が消えてなくなるのに、感動した覚えがあります。(やや大げさかな?)

このアイディアは別な場面でも応用できます。
2,4・3,6・3,8・3,・・・
というように等差数列と等比数列がミックスされたような数列の和を求めてみます。

一般項が、a={a+(n−1)d}rn−1とします。

=a+(a+d)r+(a+2d)r+(a+3d)r+・・・+{a+(n−1)d}rn−1
rS+ar+(a+d)r+(a+2d)r+・・・+{a+(n−2)d}rn−1+{a+(n−1)d}r

ここで先ほどと同様にrSを1つ右にずらした形で引き算をすれば、

−rS=a+dr+dr+dr+・・+drn−1+{a+(n−1)d}r

今回は消えてなくなりはしませんが、最初と最後の項を除く中間の項が、単純な等比数列になります。
従ってここからの計算は、以下のようになります。

(1−r)S=a+dr(1−rn−1)/(1−r)+{a+(n−1)d}r

=a/(1−r)+dr(1−rn−1)/(1−r)+{a+(n−1)d}r/(1−r)

これは大げさではなく、高校生だった私はすごいなあ!と思いました。
実は今回の問題2はこのタイプの問題でした。

解答その3の少年Hさんは、また別なアイディアで解答していただきました。







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