Weekend Mathematics問題/問題53



53.蒸気機関車の問題

長さ150mの蒸気機関車が円となるように敷いたレールの上を走っている。 列車の長さの2倍に等しい距離を進む毎に、その方向が30度変わるものとする。 レールが敷かれている円周の半径を求めよ。







問題の出典


あそびの数学/へフォード+バブ著/三橋重男訳/東京図書






答えと解説





答えと解説

解答・その1

(ペンネ−ム:やなせ)

列車の長さの2倍の距離を進んだときに 角度が30度変わるんですよね。
円1周の角度は360度です。
でもって、360÷30=12  
つまり円周は列車の長さの24倍になります。
列車の長さ150m×24=3600m
となると、その円の半径は
3600÷3.14÷2=573.248になります



解答・その2

(ペンネ−ム:kiyo)

レ−ルの長さ  (150×2)×360/30=3600
半径をrとする。
2×π×r=3600
r=1800/π
答え 1800/π m




解答・その3

(ペンネ−ム:judas)

列車の2倍の距離、すなわち300m走るごとに向きが30度変わるのだから、 同じことを12回繰り返せば30×12=360で元の向き、すなわち一周してもとの位置に戻 る。
円周は300×12=3600だから、半径は1800/3.14≒573.25となる。



解答・その4

(ペンネ−ム:楓 )

列車の長さは150M、2倍の距離を進むと30度方向を変える事から、 円周は、
150×2×(360÷30)=3600
3600Mとなります。 よって円の半径は
3600÷3、14=1146、49(直径)
1146、49÷2=573、24
A573、24M(小数点第三位は切り捨て) となります。
また、π をつかうと、 3600/2π となります。



解答・その5

(ペンネ−ム:ろんじゃー )

つまり機関車が300メートル進めば、向きが30度変わると言うことで ある。
結局300×12メートル進めば、360度、つまり一周したことになる。
よって 300×12=2πr
いま流行りのπ=3計算すると
r=600(メートル)



解答・その6

(ペンネ−ム:かつ )

まず列車の長さの2倍なので、列車は300メートル進んだことになります。 そのときに進む向きが30度変わったということなので、ベクトルでいるところの速 度ベクトルの向きが30度変わったということです。速度ベクトルの向きは接線と同 じなのでその点における半径と直交していることになります。(表現がよくないかも ・・・)
つまり始点のときの速度ベクトルと動いたあとの速度ベクトルとの変化の角度は円の 中心角の角度と一致します。 よって円の円周を求めることができます。
300×12=3600
円周がわかったので、半径を求めます。
3600/π×1/2=1800/π となります。



解答・その7

(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん )

答えは、約573mです。
蒸気機関車がAからBに来たとき 接線方向が30度変わったということは 中心角AOBが30度ということです。
弧ABの長さが300mなら円Oの円周は
300×(360度/30度)=3600m
だから、半径は
3600/2π=1800/π=約573m




解答・その8

(ペンネ−ム:浜田 明巳)

図において,OA=r(m)とする.
  ∠CBD=30°,
  ∠OBC=∠EBD=90°,
  EB//OA
であるから,
  ∠AOB=∠EBO=∠CBD=30°
 弧AB=2πr×∠AOB/360°なので,
  150×2=2πr×30/360
  ∴r=1800/π
 故に半径は1800/πmである.





解答・その9

(ペンネ−ム:けんたん)

m,nはそれぞれ点A,Bを通る接線
弧ABの長さは300m
Pは直線mとOAの延長線が交わる点
QはBからOAに下ろした垂線とOAとが交わる点

(解答)
左図の通り、作図を行うと、mとOB、nとOAはそれぞれ直角に交わっている。
条件より ∠QBP=30°
∴∠BPQ=180°−∠BQP−∠QBP
=180°−90°−30°
∴∠BOP=30°

したがって、求める半径をr(m)とすると、
2πr×30/360=300
∴r=1800/π
答え  1800/π m




解答・その10

(ペンネ−ム:yutaka)

機関車の長さが150メートルということは2倍の長さは300メートル。
300m進むごとに列車の向きが30度変わると言うことは30 0mすすんだ点と進む前の点を円の中心から見た角度が30度になるということである。
したがって円周はその12倍の長さの3600mと なり、円の半径は3600/2πとなり1800/πメートルとなる。



解答・その11

(ペンネ−ム:高橋 道広 )

解1
360度方向が変化したときは蒸気機関車は、300m×360/30=3600m進んでいる。
よって、半径3600/2π=1800/π m

解2
y=r・sinωtとすると y'=rω・cosωt つまり速度ベクトルの角速度と円運動の角速度は 一致する。
300m進んだときの角の変化がπ/6ラジアンなので、半径は
300÷π/6=1800/π m

解3
出発点Aでの接線と、300m進んだ点Bでの接線の交点をCとする。
円の中心をOとし、四角形OACBは円に内接するから、角AOB=30度となる。
    以下略



解答・その12

(ペンネ−ム:柿本 浩)

※ある時点での機関車の先頭車両が向いている方向を、 その時点における機関車の進行方向と見なす事とする。
機関車が円周の1/4の距離を移動すれば、 進行方向は90度変わって最初の方向と垂直に、 円周の1/2の距離を移動すれば、 進行方向は180度変わって最初の方向と正反対となる。 (図1参照 ※図は全て機関車がレール上を時計回りに回る場合のもの)
つまり進行方向の変化は、機関車が進んだ円弧の角度と見なす事ができるため、 進行方向が30度変化するという事は 30/360 = 1/12 で、機関車は最初の位置から1/12周の距離だけ 離れた地点にある、という事になる。 (ただし、1周回ると進行方向は360度変化して元に戻るため 機関車がレールの上を何周したかまでは判断できない。)

また、問題文には機関車がレール上を回る向き、 進行方向が左右どちらに変化するのか等は明記されていないため、 機関車が最初の位置より1/12周だけ進んだ位置にあるのか 1/12周だけ遅れた位置にあるのかは判断できない。(図2参照)

これらの事を踏まえ、進行方向が最初と30度ずれるパターンは

●機関車が1/12周の距離を進んだ場合
この場合、1/12周で 150×2 = 300m なのだから
1周の距離は 300×12 = 3600mとなり
半径を r とすると 2πr = 3600 ∴r = 1800/π[m] となる。

●機関車が11/12周の距離を進んだ場合
この場合、1周の距離は 300×12/11 = 3600/11[m] で
半径 r は 2πr = 3600/11 ∴r = 1800/11π[m] となる。

●機関車が13/12周(1周と1/12)の距離を進んだ場合
この場合、1周の距離は 300×12/13 = 3600/13[m] で
半径 r は 2πr = 3600/13 ∴r = 1800/13π[m] となる。

●機関車が23/12周(1周と11/12)の距離を進んだ場合
この場合、1周の距離は 300×12/23 = 3600/23[m] で
半径 r は 2πr = 3600/23 ∴r = 1800/23π[m] となる。
そして、300mが25/12周(2周と1/12)の距離に当たると考えるならば
1周のレールの長さは 300×12/25 = 144m となり
機関車の長さ150mよりも短くなってしまうためこのような場合は有り得ない事が分かる。

よって、問題のレールの半径として考えられるのは
1800/π[m],1800/11π[m],1800/13π[m],1800/23π[m] のいずれかとなる。

最初は 「なんだ、300mで30度なら、1周は3600mだな。単純、単純。」 なんて思ってましたが、突っ込んで考えてみると 4通りのパターンがあるんですね。 左右どちらにずれたかが明示されていないならば、 30度ずれるも、330度ずれるも同じ事。 23/12周の場合、1周約156.5mのレールに 150mの長さの機関車がのる事になりますが 有り得ないとは言い切れない、と。 私の考えすぎですかね(^^;



解答・その13

(ペンネ−ム:ねこ)

円弧長の300mがπ/6[rad]に相当する。
radianは半径と円弧長の比なので、
300/r=π/6
が成り立つ。よって、
r=1800/π[m](≒573[m])




解答・その14

(ペンネ−ム:DDT )

●:π/6 rad = 30°
r : 1m = 300m : π/6 m
r = 1m×300/(π/6) =572.958 m





正解者

高橋 道広夜ふかしのつらいおじさんやなせ 
yutaka浜田 明巳けんたん
judasねこ柿本 浩
kiyoDDT
かつろんじゃー





まとめ

今回の問題は簡単でしたか?  逆に裏があるんじゃないかって深読みされた方もいたようです。
この問題をきっかけに弧度法の話をしようかな、と思ったのです。 その導入は、ねこさんDDTさんがしてくださいました。

ここで改めて、弧度法を紹介します。
扇形の弧の長さと、中心角が比例するということをまず確認してください。
このことを利用して、 半径rの円に対して弧の長さがちょうどrになるときの中心角を1(ラジアン) と定義します。 弧の長さで定義することから、弧度法と呼ぶわけです。
これに対して、1周360度、言い換えれば1周の1/360を1度として角度をはかる方法を 度数法と呼びます。
私達の生活の中では、度数法が定着しています。 ですから最初に弧度法に出会ったとき、なんでこんなことするんだろう? って思った人も多いのではないかと思います。 私もそう思いました。微積分を勉強していくと、弧度法の良さを実感します。 関数を微分したり、積分したりする際に、余分な定数がつかないのです。 (それは対数関数において、底を自然対数eにとるというのも同じですね。)
でもよくよく考えてみると、半径と弧の長さとの比で角度を表すという相対的な定義だから こそなのだなあということに気づきます。 そして、弧度法の定義の方がむしろ自然に思えてきます。
度数法の方が、意図的? 誰がいつ1周を360度って決めたのでしょう? 場合によっては1周が100度でもよかったのかもしれない。(ちょっと不便な気もしますが・・・) 10進法が主流なのに、なぜ角度のはかり方は違うのでしょう?

1周はなぜ360度なのか?
人類が農耕生活を始めた頃、自然の観察が必要であった。 季節があることに気づき、1年がほぼ360日であると考えるようになった。 この360日を円周上に配置したので、360度になったといわれている。
今日の度分秒の元祖はプトレマイオス(Ptolemaios)で、「アルマゲスト」は三角法の出発点である。
彼は円の半径を60にとり、これに等しい長さの弦のなす角を60度にした。
1年が360日であることと、プトレマイオスの考えがあいまって、1周が360度になったようである
(仙田章雄著、日本実業出版社、「数とグラフの雑学事典」より)



柿本 浩さんの深読みには、うーんて思っちゃいました。 そうですよね、確かに、そうですよね。
厳密性を追求する数学の問題としては曖昧だったかもしれませんが、 具体的にイメージできるということも大切だと思いますのでご勘弁。






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