Weekend Mathematicsコロキウム室1999.1〜3/NO.48

コロキウム室



NO.402    '99 3/14    月の光     定義域(8)
  

NO.272を書き直します。


つまり、あるxに対してyの値が存在し、一つに定まる区間と考えて下さい。
例えば、x=0だったらyは0と1二つの値になるので0は入らない。
x=−2は途中で虚数になるのでこれも入らない。
x=√2だとy=2になるので問題の区間内にある。ということです。



NO.403    '99 3/14    水の流れ     ゼーター関数物語(37)
  

ゼーター関数ζ(2)物語第10夜の始まりです。
さて、昨夜次のような問題を出したところ、 「月の光」さんや「Junko」によって、 それぞれ、エレガントでかつユニークな解法で値を求められました。



皆さんも、これらの値を覚えておかれるといいでしょう。

レオンハルト・オイラーはこれでもう十分に満足してこの素晴らしい栄光の上に どっかりとあぐらをかいていませんでした。 価値あることなら何事も徹底的に掘り下げていくという才能が彼の数学の特徴です。 かの素晴らしい“和”の場合も、彼にしてみればまだ表面を引っ掻いただけに過ぎませんでした。 オイラーは自らがキ−となる式をもう一度思い出してください。



オイラーは偶然にも、イギリス人のジョン・ウォリス(1616〜1703)に よって発見されたπの近似式と同じ結果を 彼独自のユニークな方法で得ています。

それでは、今夜の問題です。
ジョン・ウォリスの公式をオイラー風に求めてください。
次の夜に、ζ(4)、ζ(6)、ζ(8)を求めますが、予習をお願いします。

一般に、対称式は基本対称式の整式として表されます。

問題

  1. =a+b,s=ab とおくとき、
    +b をs,sで表してください。
  2. =a+b+c,s=ab+ac+bc,s=abc とおくとき、
    +b+c をs,s,sで表してください。 
  3. =a+b+c+d,s=ab+ac+ad+bc+bd+cd,
    =abc+abd+acd+bcd,s=abcd とおくとき、
    +b+c+dを s,s,s,sで表してください。
今夜はこれで終わりです。お休み!   



NO.404    '99 3/14    Junko     素数の逆数の総和(3)
  

素数が無限に存在することの、オ−ソドックスな証明です。
背理法によります。

もし素数の数が有限個だとして、それを小さい順に p、p、p、・・・、pとします。
新たに、(p・p・p・・・p+1)なる数を考えます。
この数は、任意の素数pで割れませんので、素数です。 しかも、最大の素数であるpよりも大きい数であり、 これは明らかに矛盾です。




NO.405    '99 3/14    Junko     素数の逆数の総和(4)
  

大学時代のゼミで読んだ「An Introduction to the Theory of Numbers」の中に、 素数の逆数の和が発散する事の証明がありますので、紹介します。

素数を小さい方から順に、 p、p、p、とします。


このことから逆に素数が無限に存在することが言えると思います。 もし素数が有限個しかなかったら、上の級数が発散するはずはないからです。



NO.406    '99 3/14    豊作     定義域(9)
  

NO.272の問題はつまり



という問題であるという解釈でよろしいでしょうか?



NO.407    '99 3/16    Junko     ゼーター関数物語(38)
  

NO.403の宿題の答えです。

  1. +b=(a+b)−2ab=s−2s
    
  2. 展開公式
    (a+b+c)=a+b+c+2ab+2bc+2ca
    
    (a+b+c)(a+b+c−ab−bc−ca)=a+b+c−3abcを使って、
    
    a+b+c=s−3s+3s
    
  3. +b+c+d=s−4s+2s+4s−4s
    
これは、「s−(a+b+c+d)」 を展開し、残った項を見ながら見当をつけて探していきました。
実際の計算は「mathematica」に手伝ってもらいました。



NO.408    '99 3/16    Junko     ゴルフのスコア (2)
  

  1. 重複順列 3=27
  2. 重複組み合わせ =10
  3. (2)の10通りについて今度は順番も考慮して(つまり27通りについて)考えます。
    パ−(P)、ボギ−(B)、ダブルボギ−(D)とします。


かろうじて100をきっています。 このくらいのスコアで回ってみたいものです。 一生かかっても無理だろうなあ・・・。



NO.409    '99 3/17    水の流れ     ゼーター関数物語(39)
  

+b+c+dは 4次の同次式ですから、基本対称式の整式に表されることより、与式は次のようになります。
は1次式、sは2次式、 sは3次式、sは4次式に注目していくと、
与式=s+As+Bs+Cs+Ds と表されます。
ここで、両辺のa,b,c,dに4組の意味のある数値を代入して、 A,B,C,Dの4元方程式を作って、解きます。
ちなみに、(a,b,c,d)=(1,1,0,0)、(1,1,1,0)、(1, 1,1,1)、 (1,−1,1,−1)を代入して、
2=16+4A+B
3=81+27A+9B+3C
4=256+96A+36B+16C+D
4=4B+D
これを解いて、正解に至ります。



NO.410    '99 3/17    水の流れ     ゼーター関数物語(40)
  

(一部記述にあやまりがありました。ごめんなさい。訂正junko3/18)

ゼーター関数ζ(2)物語第11夜の始まり、始まり。
昨夜の予習問題は、次のように基本対称式で表されます。 NO.407をご覧ください。

  1. +b=(a+b)−2ab=s−2s
  2. +b+c=s−3s+3s
  3. +b+c+d=s−4s+2s+4s−4s
    

そこで、オイラーの自らが発見したキ−となる式をもう一度思い出してください。


したがって、今夜の宿題です。
これを利用して、ζ(2)、ζ(4)、ζ(6)、ζ(8)まで、求めてください。
この続きは明日の夜お話しましょう。 オイラーはパソコンのない時代にζ(26)までよく手ですごい計算をしたものだと驚きます。







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