Weekend Mathematicsコロキウム室1999.4〜6/NO.64

コロキウム室



NO.546 '99 6/27月の光オイラーの「無限解析入門(1)」(20)


この式は初めて見たので驚きました。 早速証明に取り掛かりましたがまだ出来ていません。 そのかわりこの式を仮定して別の奇妙な式が得られました。

2×3×5×7×11×・・・=1/4π2

左辺は素数の無限積です。

証明)


証明終)



NO.547 '99 6/27月の光素数定理

素数定理の証明ではありませんが、 素数定理が正しいと思わせる計算を紹介します。
NO.385



そしてNO.405でも述べられているように、 オイラー流の書き方をすると






NO.548 '99 6/27水の流れ特製のサイコロ(1)

第20回数学的な応募問題

太郎さんには、中学校に通っている子供がいます。 先日、学校で数学の授業に、折り紙でサッカーボールを 作ったり、正八面体や正十二面体の模型を厚紙で作ってきました。
そのとき、立方体の展開図を作ってきて、各面に正の整数を書き入れて、 2つのサイコロを作る宿題がありました。 ただし、2個のサイコロを投げたとき、目の和の出方が普通のサイコロと同じようで あるような特製のサイコロということでした。 ここで、普通のサイコロとは当然1から6までの整数が目としてあるものです。 だから、2つのサイコロは同一ある必要はないですし、その目が6以下である必要もない。 また、すべて異なる目である必要もありません。

問題1:普通の2個のサイコロを投げて、目の和の出方を考えてください。

問題2:今、オイラーの業績について、いろいろ研究しています。 このオイラーの偉大なアイディアは、 整数の性質を調べるのにベキ級数を使ったことです。
そのアイディアは、整数aとbとを加えることが累乗 xとxを掛けることに対応することにあります。 そこで、次の整式を展開して係数をみてください。

(x+x+x+x+x+x

問題3:上の事実を利用して、宿題の特製のサイコロの展開図に、正の整数を入れてください。

太郎さんも童心にかえって、いろいろと数字を書いていましたが、なかなかうまくいきません。 皆さんも、考えてください。 



NO.549 '99 6/27水の流れ連続根号数・その2(2)

NO.268で提起された問題です。


解法 この数字の規則性から



この関数方程式を満たすf(x)が解である。整関数で見つけてみます。
f(x)=a0xn+a1xn-1+・・・とおくと (a0≠0)
左辺の最高次の次数は2n次、一方、右辺の次数は(n+1)次
よって、2n=n+1   従ってn=1
ここで、f(x)=ax+bとおいて代入すると(a≠0)
(ax+b)2=1+x{a(x+1)+b}
a2x2+2abx+b2=ax2+(a+b)x+1
係数を比較して解くと、a=1,b=1
従って、f(x)=x+1
次に元に戻して、
与式=f(2)=2+1=3  (答)
ただし、整関数以外にもしもあったとしても、値としては変化しない。



 
NO.550 '99 6/28Junko同窓会(2)

その会合に集まった人の人数をNとすると、 各人が知っている人の数は1〜N-1の(N-1)通りになります。
一方メンバ−はN人いるのですから、その中には知っている人の人数が等しい人のペアが最低1組はできてしまうわけです。



 
NO.551 '99 6/28Junko特製のサイコロ(2)

問題1
 
10
1011
101112


問題2

 (x+x+x+x+x+x
=(x+x+x+x+x+x)・ (x+x+x+x+x+x
=(x+x+x+x+x+x)+ (x+x+x+x+x+x)+ (x+x+・・・)+・・・


ここに現れてくる指数は上の表をまったく同じ!になります。

問題3

2つのさいころの和として同じものを期待するならば、 この結果を変えずに(項数6の整式)・(項数6の整式)の別な組み合わせを探せばいいのではないかと考えました。
=(x+x+x+x+x+x)・ (x+x+x+x+x+x
=x(1+x+x+x+x+x)・ x(1+x+x+x+x+x
=(1+x+x+x+x+x)・ (x+x+x+x+x+x

すぐにこのやり方が思い浮かびます。
2つのさいころは指数を読んでいけばいいので、「0,1,2,3,4,5」と「2,3,4,5,6,7」です。
しかしながらこれは片方を減らして片方を増やす、和としては一定。 自明だけれど、おもしろくない、第一0はだめですし・・・。(問題の作成者はその辺をよくわかっていらっしゃる。)
そこで、x+x+x+x+x+x の因数分解を考えました。
項数6(6=2×3の合成数)のこの式は次のように分解できます。
x+x+x+x+x+x =x(1+x+x)(1+x

x+x+x+x+x+x =x(1+x)(1+x+x

どちらも完全な因数分解ではありませんが、x・(項数2)・(項数3)という形に2通りの分解ができるという ところがミソです。 これを組み替えて、(項数6)・(項数6)という形を作ります。
=(x+x+x+x+x+x)・ (x+x+x+x+x+x
=x(1+x+x)(1+x)・x(1+x)(1+x+x
=x(1+x+x)(1+x)・x(1+x)(1+x+x
=(x+2x+2x+x)・ (x+x+x+x+x+x
=(x+x+x+x+x+x)・ (x+x+x+x+x+x

というわけで2つのさいころを、「1,2,2,3,3,4」と「1,3,4,5,6,8」とすればいいということがわかります。
和を表にしたものを下に示します。

 
10
10
11
11
1012






NO.552 '99 6/29水の流れ同窓会(3)

No550の考えは、「鳩の巣の原理」という考え方です。

<n、kは自然数とする。 合計(kn+1)羽以上の鳩がn個の鳩の巣のいずれかに入っているとき、 少なくとも1つの鳩の巣には(k+1)羽以上の鳩が同居している。>
このような考え方です。 数学は、抽象的な命題を具体的な分かりやすいことと対応させて、 考えてみることも大切です。



 
NO.553 '99 6/29Junkoオイラーの「無限解析入門(1)」(21)

NO.544を受けて、
F(x)=(1+x)(1+x2)(1+x3)(1+x4)・・・
=1+x+x2+2x3+2x4+3x5+・・・


実際に展開してみるとすぐ気づきます。 それぞれの項xnの係数は、A(n)になっています。つまり、
F(x)=1+A(1)・x+A(2)・x2+A(3)・x3+A(4)・x4+ A(5)・x5・・・

展開したときの係数を調べます。
定数項はすべてのかっこから1を選んできたときだけですから1
xの1次の項は、最初のかっこのみxを選び、残りは1を選んだときのみで1
xの2次の項は、2番目のかっこのみx2を選び、 残りは1を選んだときのみで1
xの3次の項は、3番目のかっこのみx3を選び、 残りは1を選んだときと、 最初のかっこでx、2番目のかっこでx2を選んだときの2通り
xの4次の項は、4番目のかっこのみx4を選び、 残りは1を選んだときと、 最初のかっこでx、3番目のかっこでx3を選んだときの2通り
では、xの5次の項は?
異なる自然数の和で5になる組み合わせをさがすことになりますね。 5,1+4,2+3の3通りですから、x5の係数は3です。
一般にxのn次の項の係数は、 異なる自然数の和でnになる組み合わせをさがすことになりますので、 A(n)というわけです。




 



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