Weekend Mathematics問題/問題2



2.面積の問題

縦1cm、横10cmの長方形のテ−プABCDに、1cmごとにABに平行に線を引いています。 対角線BDを引いて、図のように斜線を入れるとき、斜線の部分の面積の和は、いくらになるでしょうか。


答えと解説












答えと解説

2.面積の問題

縦1cm、横10cmの長方形のテ−プABCDに、1cmごとにABに平行に線を引いています。 対角線BDを引いて、図のように斜線を入れるとき、斜線の部分の面積の和は、いくらになるでしょうか。




回答その1(台形法)


台形の面積が、(上底+下底)×高さ÷2 というのを使う。
BDより上の部分を180゜回転させると下の部分と重なるから前者の面積を求め、 2倍すればよい。
BDより上の部分については、

{(1+0.9)+(0.8+0.7)+(0.6+0.5)+(0.4+0.3)+(0.2+0.1)}×1÷2=5.5/2

従って、これを2倍して、5.5cm2である。

回答その2(ずらし法)



上の図のように各頂点に名前をつけます。
これをBDにそってずらします。

するとこのようになります。
高さは1.1cmになるので、面積は1.1×1×5=5.5cm2というわけです。

回答その3(組み合わせ法・その1)



上の図のようにABの中点とCDの中点を結ぶ直線をひく。
すると、斜線が入っている長方形が6つできる。
6つの長方形の面積は、0.5×6=3cm2

左下1/4の部分を


とおくと、a=j、b=i、c=h、d=g、e=fなので、まとめると


ということになる。
面積は、0.5×5÷2=2.5/2
右上1/4の部分も同じようにすると、面積は2.5/2
この2つをたすと2.5cm2

従って、3+2.5=5.5cm2

上の様に補助線をいれます。

この部分の面積は、縦0.1×横1=0.1
0.1×5=0.5

この部分は、縦1×横1=1
1×5=5
合わせて、0.5+5=5.5となります。

回答その5(白黒比率法)



1cmごとに区切った所を上の図のようにおく。
ABの中点uとCDの中点tを結び、ijとの交点をsとする。
sはBD上の点でもある。
よって、四角形Aisuと四角形usjBは合同なのがわかる。

次に四角形Aisuだけを見ると
斜線部分と白い部分の面積は3:2になっている。
四角形stCjも同様。

そして、四角形usjBを見ると
まん中の四角形は対角線をはさんで合同。面積は1:1。・・・@
長方形の対角線なので∠usB=∠jBsで両端の四角形も合同で
斜線部分と白い部分の面積は1:1。・・・A
残り2つの四角形も同様。面積は1:1。・・・B
@ABより、四角形usjBの斜線部分と白い部分の面積は同じになる。
四角形iDtsも同様。

1辺が1cmの四角形が10こつながっているので面積は10cm2
斜線部分の面積:白い部分の面積=11:9
なので、斜線部分の面積は5.5cm2

回答その5・コメント

組み合わせ法と似ているのだけれど決定的に違うのは、
面積を直接求めず、全体の面積との比で求めるという点です。
非効率だという人もいるかもしれませんが、私はとてもユニ−クなアイデアだと思います。

回答その6(拡大法)


この図形を、縦に10倍する。 すると斜線部分の面積も10倍になる。

この図形において、斜線部分は面積1cm2の正方形が50個、 面積1/2cm2の直角二等辺三角形が10個、
だからあわせて面積は55cm2
従って、もとの斜線部分の面積は、5.5cm2である。
(この解法は下記の出典元の本に記載されているものです。)

まとめ


各回答に名前をつけたのは私です。ご了承下さい。
数学の問題に対しては、一応答えは一通りに定まるけれども、
その答えに至る道のりはさまざまですね。
答えへの道のりが1つでないところが数学のおもしろいところであり、
またどの道を通っても必ず同じ頂上にたどり着けるというのが
数学のすごいところだと思います。
今回、解法を6つばかり紹介しましたが、
それらを読んでいくと、答えは5.5cm2以外にはありえない、
という気持ちになってきますから不思議です。
メ−ルでの回答、どうもありがとうございました。

問題の出典


ピ−タ−・フランクルのパズルより面白い中学入試の算数

講談社


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