Weekend Mathematics問題/問題47



47.行きつ戻りつの問題

1.
水面まで深さ20mの井戸がある。 今、カタツムリが外へ出ようと水面から歩き始めた。 しかし、昼間は8m進めるが、夜は寝るため、4m下がってしまう。 さて結局、何日で出られるのでしょうか?

2.
あきらくん(時速4km)と愛犬ポチ(時速10km)は2km先にあるわが家をめざしてスタートした。 当然のごとく、ポチが先に家についたが、そこは名犬(?)。 ポチは家につくなりすぐ引き返し、まだ歩いているあきらくんのところに 戻って、また家にいくことを繰り返した。 さて、結局あきらくんが家につくまで、ポチは何km走ったことになるのでしょう?








問題の出典


頭のよくなる本

ピ−タ−フランクル

WAVE出版



答えと解説












答えと解説

問題1


解答・その1

(ペンネ−ム:佐々木一樹)

1日目0→8→4   2日目4→12→8  3日目8→16→12   4日目12→20
ということで、答えは4日



解答・その2

(ペンネ−ム:kumapu)

20÷(8−4)=5で、5日…と考えがちですが、(笑)
四日ですネ。
何故なら、4日目、に上りきってしまって、落ちないから…?でいいのかな。



 

解答・その3

(ペンネ−ム:細井 夏樹)

1日に進む距離は 8−4=4m
但し、最終日は寝る前に井戸の外へ出られるため、8m進むことができる。
以上より、 4×(α−1)+8=20 :α=日数
これを解いて、 α=4    答、4日



 

解答・その4

(ペンネ−ム:teppei)

answer is fourth, because we can't count fourth night.



解答・その5

(ペンネ−ム:Oitan)

Answer: 4 days (more specifically , at the end of day time on the fourth day)
A simple question like this usually indicates hidden traps.
Simple calculation will lead to an answer of 5 days, but actually it is too straightforward.
By checking how far the snail can proceed for each day time/ night time, we will get 4 days.

1st day day time 8
      night time 4 (=8-4)
2nd day day time 12 (=4+8)
      night time 8 (=12-4)
3rd day day time 16(=8+8)
      night time 12 (=16-4)
4th day day time 20 (=12+8) Here we go!




解答・その6

(ペンネ−ム:Kohda)

結局一日4mのぼるから20÷4で五日かかると思いきや三日で12mのぼった あと四日目の昼間に到着します。と言うわけで答えは四日         



解答・その7

(ペンネ−ム:SHO)

1日あたり差し引き4ずつ進んでいるので5日、 といいたいところだが4日目の朝に12メートルなので 4日目の終わりに20メートルに到達する。
答.4日



解答・その8

(ペンネ−ム:KOSUGI)

1日に登ることが出来る距離は(8−4)=4メートルなので、 3日目終了時点で12メートル登ることになる。 ところが、4日目の昼間に残りの8メートルを上り切ってしまう。よって答は4日目の昼間。



解答・その9

(ペンネ−ム:kiyo)

(8−4)+(8−4)+(8−4)+8=20(m)
答え 4日。



解答・その10

(ペンネ−ム:かつ)

深さ20メートルの井戸からカタツムリが井戸から出るまでの問題です
昼間は8m進み、夜は4m後退するので・・・。 結局1日4m進むことになります。 よって 20÷4=5で5日と言いたいところですが、そうではないですね。 ここで3日目の夜が過ぎ4日目の朝がきたときには、残り8mのところに来ています。 つまり4日目に昼間8m進むと地上についてしまうのです。 夜にわざわざ4m下がることは無いので、答えは4日になります。 1日4メートル進むと言うことにしてしまうと間違ってしまうのです。 そこさえ気がつけば、問題なく解けると思います。



解答・その11

(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん )

4日で出られます。
次ぎの図から明らかでしょう。(矢印1つは1m分)

20           ↑・・・・・・・・4日目の到着地点【井戸の出口】
19          ↑                    
18          ↑                   
17          ↑                   
16       ↑↓↑・・・・・・・・3日目の到着地点
15       ↑↓↑                    
14       ↑↓↑                      
13       ↑↓↑              
12    ↑↓↑・・・・・・・・・・・・2日目の到着地点(4日目の出発地点)    
11    ↑↓↑                         
10    ↑↓↑                       
 9    ↑↓↑                 
 8 ↑↓↑・・・・・・・・・・・・・・・・1日目の到着地点(3日目の出発地点)
 7 ↑↓↑                     
 6 ↑↓↑                       
 5 ↑↓↑                       
 4 ↑                          (2日目の出発地点) 
 3 ↑                                
 2 ↑                                
 1 ↑                          
                                (1日目の出発地点)【水面】




解答・その12

(ペンネ−ム:高橋 道広 )

まず最初の問題は 20/4=5ではだめなんですね。 20−8=12 12/4=3で、3日であと8mを残すことになります。そして4日にめでたく8Mを進み 外に出る…と思うでしょ  しか〜し、4日目には、8m進んで、井戸の端っこに足(?)をかけたとたん、あわれかたつむりは 突如睡魔におそわれ、ずりずり落ちて井戸の外には出れません。 そこで5日目にめでたく外に出られる。はじめの答えと同じ5日が答えなのです。 これは、問題の出し方の不十分さで、どちらが答えでもよくなります。



解答・その13

(ペンネ−ム:中数の基本)

1日に8−4=4(m)進むので,3日目の終り(=4日目の初め)には,12(m) のところにいます.そこで4日目の夕方には,指先(カタツムリに指がありまし たっけ?)が出口に届きます.
ここからが,判断に迷うところです.ここで夜のうちにずり落ちてしまうと 考えるか,もう下がらないと考えるかは純数学なら約束で決まりますが,理科 の応用問題とすると,・・・カタツムリの足の裏は,カミソリの上でも渡れる と言われており,吸着力が優れています.決して鍵のようなフックがあるわけ ではありません.だからこそ,夜のうちに寝ているうちに「下がってしまう」 とされているので,4日目の夕方に指先が届いても体全体は出ていないし,指 先も「出て」いないわけです.
他方,水面から歩き始めたというのは,指先からシッポ(通俗的な言いまわし) まで,水中で生活できるわけではないので,体長分だけ水面上に出ていたとも考 えられます.こう考えれば,4日目の夕方には体全体が地表に出ているので, もう下がらないと言う見方もできます.
結局,おもしろい方を答に選ぶと5日・・・(答)



解答・その14

(ペンネ−ム:浜田 明巳)

いつものようにエクセルのマクロで解いてみました.
プログラム中に日本語を使って,なるべく見やすく作ってみました.
答は,4日間です.

Option Explicit
Sub Macro1()
    Dim 日 As Integer
    Dim 高さ As Integer
    日 = 0
    高さ = 0
    While 高さ < 20
      日 = 日 + 1
      高さ = 高さ + 8
      Cells(日, 1).Value = 日
      Cells(日, 2).Value = 高さ
      If 高さ < 20 Then
        高さ = 高さ - 4
        Cells(日, 3).Value = 高さ
      End If
    Wend
    MsgBox "答は" + Str(日) + "日間です.", 48
End Sub




問題2


解答・その1

(ペンネ−ム:大阪府にお住まいのタクミケンスケさん )

あきらくんが家につくまでには、2(km/h)÷4(km)で0.5(h)。
愛犬ポチ(時速10km) は、0.5時間走るってことで、
10×0.5=5 よってポチは5km走るのです.



解答・その2

(ペンネ−ム:たかし)

あきらくんは家まで30分かかったことになる。その間、ポチも走りつづけたので 時速10km×0.5時間=5km
Answer:5km



解答・その3

(ペンネ−ム:ツァラトストラ)

結局ポチはあきらくんが家に着くまで走っている。 あきらくんは家に着くまで0.5時間かかるので時速10 kmのポチは5km走る。答え5km



解答・その4

(ペンネ−ム:ねこ)

あきらくんは家に着くまで2[km]÷4[km/h]=0.5hかかり、 その間ポチは時速10kmで走りつづけたのだから、 走った距離は10[km/h]×0.5[h]=5km。



解答・その5

(ペンネ−ム:やなせ)

ふたり(一人と1匹かな)のスピードを合算しないで、単純に あきら君が家に帰るまでの時間を計算します。
その間ポチは走っているわけですから・・ 2/4=0.5時間
0.5時間×10=5で
答えは  5km



解答・その6

(ペンネ−ム:水の流れ)

太郎さんは、この問題を子供が小学校のときに、質問を受けたことがありますので、 覚えています。勿論、数字までは記憶にないのですが。
さて、あきらくんと愛犬ポチは家に着くまで、同じ時間動いていることですから、 ポチの走った距離は、あきらくんが家に着く時間を求めて、時速を掛ければよいです。
2÷4=0.5(時間)
したがって、ポチの走った距離は、10(km)×0.5(時間=5(km) 



解答・その7

(ペンネ−ム:数楽家Crane)

「向いあって走っている人の間を行き来しているハエ」とか、 「2人がキャッチボールをしながら近づいて行くときのボールの飛んだ距離」 など、色んなバージョンを見たことがあります。
答えはもちろん、あきらくんが家に着くのに30分かかる。 その間ポチは走りつづけているから5km。




解答・その8

(ペンネ−ム:中数の基本)

あきらくんは2÷4=0.5時間歩き,その間ずっとポチも歩きつづけるとする と,ポチは 0.5×10=5(km)走ります.
なお,家の手前数mのところでは,ポチの頭は家の方に向かったり,あきら くんの方に向かったり,大変忙しくなります(無限回振り返ることとなり,特に 自分の頭の幅よりもあきらくんが近づいたときは,首を振っているだけという 状態になりますが,そこはおあいきょうということにしないと問題が解けません.)
5(km)・・・(答)



解答・その9

(ペンネ−ム:高橋 道広 )

あきら君は2時間歩き、その間ぽちは走りっぱなし。ということは、20km走ったことになります。
これは、無限等比級数でも解けますね、きっと。
しかし、ここで気になることがあります。一つ目は、向きを変える時間が書いていないこと。
ですから、20km以下というのが答えでしょう。きっと。
もうひとつ気になるのは、あきら君がついたときに、ぽちはどっちのほうを向いていたかということ。
これは永遠のなぞです。夜も寝られなくなるかもしれません(古い…)



解答・その10

(ペンネ−ム:かつ)

ポチ君は家とあきら君との間を行ったり来たりする。
ここで問題なのは、ポチ君の距離なので、ポチ君が走る距離をいちいち場合わけして書いていく こともできるが、ここでは「あきら君が何分歩いていたか?」と言うことがわかれば、 ポチ君の走った距離がわかります。
つまりポチ君もあきら君も同じ時間をかけることで同時に家に到着します。 よってあきら君の歩いている時間がわかればよいのです。
あきら君は2kmの距離を時速4kmで歩くので結局30分(0.5時間)かかります。
よってポチ君も30分間、時速10kmで走っているので・・・。
10×0.5=5
よって5km
何回行き来したかは問題ではないのです。



解答・その11

(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん )

ポチは5km走ったことになります。

(その1)  家まで2kmあるのですから、あきらくんは2/4=1/2時間歩きます。ポチ は行きつ戻りつしますが 1/2時間走るのですから、10×1/2=5km走ることになります。

(その2)
 家からあきらくんとポチが出会ったところまでの距離をLn、家から次にあきら くんとポチが出会うところまでの 距離をLn+1とします。
すると、あきらくんとポチが出会うまでの時間を考え て、次の漸化式が成り立ちます。
     ( Ln − Ln+1 ) / 4 = ( Ln + Ln+1 ) / 10 
これを整理すると、
Ln+1 = 3/7 Ln
これは、等比数列です。(初項は、2です) ポチは、あきらくんと出あうまでに

L1 + L2 + L2 + L3 + L3 + L4 + L4 + ・・・・
2 × ( L1 + L2 + L3 + L4 + ・・・・ ) − L1
2 ×2/( 1− 3/7) − 2

の距離を走ることになります。



解答・その12

(ペンネ−ム:Idaho Potato)

あきらくんとポチが最初に再会するまでにポチが走る距離は 20/7 km。 その位置は家から 6/7 km。
これは、4kmの道の両端からあきらくんとポチが 2:5 の速度で 向かい合って進むと考えるとわかりやすいでしょう。
次のステップは、同じことが最初の 3/7[=(6/7)/2] 倍のスケールで 繰り返されるので、ポチの走る距離は (20/7)×(3/7) km。
以下同様に、1ステップ進むごとに全体のスケールが 3/7 倍になるので、 ポチの走る距離は、初項 20/7 (km)、公比 3/7 の等比級数の和で、5km。

…と、等比級数の計算をさせておいて、実は、
あきらくんが家に着くまでの時間は 1/2 時間、その間ポチは 10km/h で 走り続けるのだから、走った距離は 10×(1/2)=5 (km)。
と切り返すのがオチでしょうか(笑)。

で、これだけでは単なるパズルに過ぎないので、 私からは次の問題を追加しましょう。
「あきらくんが家に着いたとき、ポチの頭はどちらを向いているでしょう?」 (出発点の方向か、家の方向か?)
つまり、この問題には本質的にゼノンのパラドックスが潜んでいるのです。



解答・その13

(ペンネ−ム:浜田 明巳)

いつものようにエクセルのマクロで解いてみました. プログラム中に日本語を使って,なるべく見やすく作ってみました.
答は,5kmです.しかし答があっていても,近似解としてしか意味がありませんので, この方法では数学的に解いたとはいえません.

Sub Macro2()
    Cells(1, 1).Value = "経過時間(秒)"
    Cells(1, 2).Value = "あきらくんの歩いた距離"
    Cells(1, 3).Value = "ポチの位置"
    Cells(1, 4).Value = "ポチの走った距離"
    Columns("A:D").Select
    Columns("A:D").EntireColumn.AutoFit
    Range("D2").Select
    Dim あきらくんの歩いた距離 As Double
    Dim ポチの走った距離 As Double
    Dim ポチの位置 As Double
    Dim あきらくんの速度 As Double
    Dim ポチの速度 As Double
    Dim きざみ As Double
    あきらくんの速度 = 4 / 60 / 60
    ポチの速度 = 10 / 60 / 60
    きざみ = 0.1
    あきらくんの歩いた距離 = 0
    ポチの走った距離 = 0
    ポチの位置 = 0
    Cells(2, 1).Value = 0
    While あきらくんの歩いた距離 < 2
      あきらくんの歩いた距離 = あきらくんの歩いた距離 + きざみ * あきらくんの速度
      ポチの走った距離 = ポチの走った距離 + きざみ * Abs(ポチの速度)
      ポチの位置 = ポチの位置 + きざみ * ポチの速度
      If ポチの位置 >= 2 Then
        Beep
        ポチの走った距離 = ポチの走った距離 - (ポチの位置 - 2)
        ポチの位置 = 2
        ポチの速度 = -ポチの速度
      ElseIf ポチの位置 <= あきらくんの歩いた距離 Then
        Beep
        ポチの走った距離 = ポチの走った距離 - (あきらくんの歩いた距離 - ポチの位置)
        ポチの位置 = あきらくんの歩いた距離
        ポチの速度 = -ポチの速度
      End If
      Cells(2, 1).Value = Cells(2, 1).Value + きざみ
      Cells(2, 2).Value = あきらくんの歩いた距離
      Cells(2, 3).Value = ポチの位置
      Cells(2, 4).Value = ポチの走った距離
    Wend
End Sub




正解者

水の流れ中数の基本KOSUGI
高橋 道広kiyo夜ふかしのつらいおじさん
浜田 明巳ツァラトストラteppei
Oitan大阪府にお住まいのタクミケンスケさんSHO
ねこ数楽家Craneかつ
佐々木一樹kumapu細井 夏樹
たかしkohdaやなせ
Idaho Potato





まとめ

1.かたつむりの問題について、中数の基本さんの解答高橋 道広さんの解答を読んで、 私はげらげら笑ってしまいました。
出題者としては、ただ数式を並べただけではおもしろくないから、いろいろな表現を工夫するわけですが、 そうすることで数学的な厳密さは失われるかもしれません。
そこは好意的にモデル化してほしい・・・・と思う反面、わざと意地悪な解釈をするのもまたおもしろいと思います。
数学はある意味では、理想的な状態を想定して解きますけれど、現実はそうはならなかったりしますからね。

2.ポチの問題は、Idaho Potatoさんのご指摘の通りのおちをねらったのですが・・・!!?
一般に、初項がa、公比がrの無限等比級数数列 a+ar+ar2+ar3+・・・は、
第n項までの部分和が

となることから、−1<r<1の時に収束することがわかります。
そしてその和は

となります。
ですから−1<r<1の無限等比級数は、この問題のように必ず別な解釈があるのではないかと思ってしまいます?!

最後に、Idaho Potatoさんから宿題が出ています。 みなさん、よろしくお願いします。

関連した内容が、 コロキウム室 NO.900にあります。






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